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小説レビュー第23弾 恩田陸『蜜蜂と遠雷』

素直に面白かった。
一方で、良くも悪くも大衆受けする本屋大賞だな、という冷静な感想をしてしまう人もいるかも。

言葉で語ると純粋に物語を楽しめなくなると思ってしまうので、
批評家みたいな文言は避けていましたが少しだけ。

まるで詩を読んでいるかのようでした。
現代小説家らしく難解な言葉はありません。
原典はなんかの雑誌か新聞の連載ものなので、一つの段落に起承転結が詰め込まれているような様子です。一側面から見ると、著者の表現をつまみ食いして楽しむような。
一冊で物語をつくるミステリーとはまた違いますね。
なんせテーマも「ピアノコンクール」なので、一次予選から本戦まで、登場人物の行動は、いわば「ピアノを弾くだけ」の連続です。(もちろん、登場人物のバックボーンや過去等についての描写はありますが)
それを500ページに渡って、読者を飽きさせないように表現しなければいけないので、間違いなくプロにしか書けないでしょう。
平易な言葉でいかに多彩に表現するかは個人的にかなり難しいと思うので、著者の苦労が慮られます。
もちろん、この短編の連続を一つの物語に落とし込んではいるので、長編小説としての側面もあります。

おしゅしゅめ